ガンバ大阪は何故上位チームに返り咲けたのか?元プロが宮本恒靖監督の凄さを語る



ここ数年鳴かず飛ばずだったガンバ大阪が2020年J1リーグ2位と快進撃を果たしました。中位のチームを上位に押し上げるまさに「マジック」のような快進撃は何故起こっているのか。そして2021年はどういった改善策が必要かを元プロなりに語っていきます。

ガンバ大阪の近年の動向

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ガンバ大阪は過去2度J1リーグを制した強豪クラブです。
外国人FWに強烈な選手を配置して、中盤の技術の高い選手が前線に質の高いパスを供給し、得点を量産していました。
しかし近年はJ1リーグ10位前後をウロウロしているチームです。伝統的な攻撃力が影を潜めガンバらしいサッカーができないシーズンが続いています。
2018年に攻撃力に定評のあるクルピ監督が就任し、攻撃の改善を図るものの失敗。シーズン途中でクルピ監督は解任。そして解任後にU−23監督から昇格で宮本恒靖監督が就任しました。
就任後2年は9位・7位とリーグ中位でしたが、3年目の2020年に2位と一気に順位を上げることに成功しました。

今までのガンバ大阪のスタイル

宮本の前の監督である、長谷川健太・クルピは共に柔軟性を長所としています。
長谷川健太は選手の調子によって戦術やシステムを変えていくスタイルです。
クルピは選手に攻撃の自由を与えるため、選手が生き生きと得意なプレーを発揮しやすい監督です。
言い方を変えれば、守備や攻撃にルールや規律はなく選手の強みを活かしたチームスタイルでした。

宮本監督がガンバに植え付けたもの

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一言で言うと、守備の規律です。
攻撃にはルールや規律がなくても問題ないと思いますが、守備に関しては監督の方向性に沿った規律が絶対に必要だと個人的には考えています。

全てオールコートマンツーマンで守備をするなら必要ありませんが、現代サッカーは効率重視(攻撃のために体力温存するため)のゾーンディフェンスが主流す。ゾーンディフェンスには明確な規律とルールが必要です。

例えば下記のようなルールが必要になります。

  • DFラインの高さはどこに設定するか
  • FWの守備スタートはどこからか
  • ポゼッションで押し込まれたときにMFとFWのラインをどこまで落とすか

宮本監督は相手陣地にボールがある時は基本的にはDFラインを高く設定しています。FWの守備は相手に依りますが、センターサークル付近からスタートします。そのため中盤が非常にコンパクトに形成されて、ボールを奪いやすくなります。またコンパクトが故に、ボールを奪った瞬間周囲に技術が高い選手がいるため、攻撃にも厚みが出しやすくカウンターが決まりやすくなります。
川崎のようなポゼッションが上手い相手に対しては前線から無理に取りに行かず、自陣でブロックを形成し戦うようにしています。

このように宮本監督の守備は明確でわかりやすい規律が設定されていて、選手がキチンとそれに則ってプレーしています。

これは今までのガンバにはない新しい要素・戦術であり、宮本監督の功績だと思います。その結果、大崩れした試合はシーズン通して3試合のみ。後の試合は失点数を限りなく抑えられています。

また守備の規律順守+攻撃参加には運動量が必須です。そのため運動量が豊富な若手選手を積極的に起用し、チームの若返りにも貢献しています。
具体的には山本悠樹や高尾瑠などです。

2021年シーズンガンバ大阪に期待すること

ガンバが圧倒的王者の川崎に勝つために必要なのは攻撃力の強化です。
具体的にはポゼッション力の強化です。

2020年シーズンはコンパクトな守備からのスピーディーなカウンターや、パトリックへのロングボールからの攻撃、セットプレーからの得点が多い印象でした。宮本監督は守備に重きを置いていて完成度も年々上がってきていると思いますが、攻撃には意図や哲学をあまり感じません。個人能力が全てのような攻撃に見えてしまいます。

ガンバ大阪の得点は年間46得点。それに対して川崎フロンターレは年間88得点と約2倍の得点を奪っています。

この攻撃力の差が王者川崎フロンターレとの大きな差だと考えています。

そして川崎フロンターレとの差を埋めるためには2つ方法があると思います。

  • 圧倒的なハイプレスを身につけ、ショートカウンターの鬼と化す
  • 川崎フロンターレ相手にも通用するポゼッション力を身につける


前者は現実的では無いと思います。
一朝一夕で手に入れられるものではないですし、今まで身に付けた守備の規律を大きく変えていくことになるからです。

今までの路線を活かしつつポゼッション力を磨くことが今後のガンバには求められると思います。

しかしポゼッション力を磨く=攻撃時はワイドになるということになり、宮本サッカーの目指す規律性の高いサッカーとは相反する方向性になります。

非常に難しく私には答えを出せませんが、宮本監督がどういった方向性を導き出しているか開幕が楽しみですね!

最後に

宮本監督はJリーグアウォーズで最優秀監督賞を受賞しており、今後日本サッカー界に大きな影響を与えていく監督だと思います。なので王者川崎に真っ向から立ち向かい、乗り越えて行って欲しいですね。
年初のインタビューでも「ボールを持ちたい」と回答していたので、ガンバ大阪の戦い方の変化には要注目です。


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