川崎フロンターレの停滞は何故か〜VSサンフレッチェ広島戦を考察〜


2021年8月21日のJリーグ川崎フロンターレVSサンフレッチェ広島戦は、1−1引き分けで終了しました。
川崎はボール支配率68%とゲームを圧倒的に支配するも、攻撃では迫力に欠ける様な印象を受けました。
サンフレッチェ広島が退いて自陣深くで守備を固めているのに対して、川崎は終始ボールを回させられている展開で、中断期間前と比較すると非常に停滞感のあるゲームでした。
何故、川崎の攻撃に停滞感が出てきたのかを考察していきます。

川崎フロンターレの前半の停滞理由

川崎フロンターレが前半停滞していた理由は3点あると考えます。
※サンフレッチェ広島が終始自陣深くに退いて守備を固めていることを前提とします。

  • 裏へのチャレンジが少ない
  • 個の力で局面を打開できる選手がいない
  • 中盤・前線でボールを刈り取れる選手がいない

裏へのチャレンジが少ない

広島戦での川崎は、弾かれた相手に対して横パスでの展開が多い印象がありました。
サッカーでは如何に効果的にボールをゴールに近づけて良い状態でシュートを打てるかが、点を取れるか否かを左右します。
1番手っ取り早い方法がDFラインの背後を狙うプレーです。相手DFが最も警戒するプレーですが、この試合の川崎は前半では背後を狙うプレーがほとんどありませんでした。
勿論、中央を固められればのFWのプレーエリアは非常に狭く、縦パス・裏パスを狙うことは難しくなり、横での展開が多くなります。しかし、「常に裏を取られる危険がある」と相手DFに思わせているかどうかで、横の展開も変化してきます。
この試合の前半では、前線の選手が足元でボールを受けたがる選手が多く、相手DFは裏の警戒をしなくても良い展開でした。このような展開になると、相手のボールプレッシャーの出足が早くなり、足元パスへのプレッシャーが1歩2歩早くなります。すると、プレーに制限をかけられてしまい、やりたいプレーが出来なくなっていきます。

前半はスローインから虚を衝いて早々と先制できたこともあり、まさにサンフレッチェの思惑通りの展開になっていました。

個の力で局面を打開できる選手がいない

やはり三苫薫の存在感は大きかったと感じさせられました。
Jリーグ中断前は、右サイドは家長が周囲を使いながらチャンスメイクするスポット、左サイドは三苫が個の力で仕掛けるスポットと、非常にわかりやすい構図になっていました。
もし足元パスが横行する展開になったとしても、三苫の様にサイドで個の力を発揮し、局面の打開にトライし続ける選手がいれば、上記の様な「常に裏を匂わせる」必要もなかったでしょう。

しかしサンフレッチェ広島の守備の集中力の高さもあり、三苫移籍後先発に抜擢された長谷川竜也が前を向いて仕掛けるような局面がほとんど無く、家長も相手の足元へのプレッシャー速度に苦しみました。

自陣であろうが相手の逆を付き、決定的なパスを出せる三苫薫の個の力は、相手に分析され退かれる展開の多くなった川崎フロンターレには無くてはならない力だったと思わされました。

中盤・前線でボールを刈り取れる選手がいない

川崎の中盤は中村憲剛・守田英正・田中碧といった中盤でボールを刈り取る能力が高い選手が必ず存在してました。
これらの選手が中盤・前線で良い形でボール奪取し、ショートカウンターという形も川崎フロンターレの定石パターンでした。
しかし、脇坂・シミッチ・旗手はボール奪取能力ではなく、ボールポゼッションやボールキープ能力に定評のある選手であり、現状の川崎はボールハントできる選手がいなくなってしまいました。
そのため、良い状態でのカウンターは1試合を通してほとんど見ることができませんでした。

後半流れが好転した理由

後半は流れが好転し、1得点取って引き分けに持ち込むことができました。
理由は2点あると思われます。

  • 宮城・遠野・旗手が背後を積極的に狙う様になった
  • 宮城の積極的な個の仕掛けに迫力があった

宮城天という新しい未来

この試合で唯一迫力のある仕掛けをしていたのが宮城天でした。
オン・ザ・ボールではクロス・ドリブルでサイドの打開を図り、オフ・ザ・ボールでは背後を積極的に狙うことで相手に恐怖を与え、かつ家長や橘田のパサー能力を存分に引き出していました。
やはり背後を狙う・仕掛ける選手がいなければ、パサーは活きないし、局面も停滞していく一方なのが良くわかるゲームでした。
しかし20歳にして、川崎のトップチームでこれだけやれている宮城天は本当にすごい、、、

川崎は今後勝てなくなってくる

以上のことから、川崎は今後勝ち切ることが難しくなってくると思われます。
非常に強い川崎でしたが、やはり核となるプレーヤーの三苫・田中の放出は純粋に痛手です。
逆に言うと、誰が今後川崎で成長し核となるプレーヤーに成長していくのが楽しみですね。

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