元プロサッカー選手の悲しい現役時代②〜受験と地獄のキャンプ〜

1年間プロサッカー選手として活動してきたフラノですが、当時の悲しい現役時代について、語ろうと思います。
多くのことに苦しみ、悔しい思いをし、成長を感じたので、その体験を共有していきます。
今回は、高校生〜キャンプ体験記です。

練習参加後、高校サッカー選手権全国大会出場

県の予選で決勝戦に勝ち、全国大会に出場することが決まっていた私は、
練習参加後、入団テストの意味合いも込みで全国大会に出場しました。

直前の練習参加の甲斐もあって、
結果は全国でベスト8に進出し、それなりにゴールを決める事もできました。

総合的なパフォーマンスは微妙でしたが、
ゴールという結果を残せた事が大きかったらしく、
この結果を踏まえて、1月下旬に正式にオファーを受けることになりました。

正式なオファーが来て、大学進学と悩む

私は基本的にサッカーの道に進む予定ではなかったため、大学受験を進めていました。
推薦を受けられる様な学業成績も、サッカーの実績もなかったので、一般受験の対策をしていました。

しかしセンター試験後に正式なオファーが来たため、
プロサッカー選手になるか、大学受験を続けるかで非常に悩みました。


結論としては、
”誰にでもできる経験ではなく、プロサッカーを経験する事は今後の人生においても貴重な経験になる”
と判断し、プロのオファーを受けさせて頂きました。


そして、今まで続けてきた勉強を形としてアウトプットしたいという気持ちから、大学受験は続ける事にしました。

大学受験中に、キャンプ参加

2月上旬〜下旬にかけて、プロは開幕に向けてキャンプを実施し、開幕準備をしています。
私は受験があったので、1週間キャンプに参加しその後受験に向かう様なスケジュールでした。

そのキャンプ中でも様々な経験をしました。

キャンプ中に感じた事①こんなに年齢が違う人たちと生活した事ないよ

学生時代は先輩がいたとしても精々2歳年上の先輩でした。
私は”今時の若者”で上下関係があまりない環境で育ってきたこともあり、
かなり年上の先輩たちと何を会話したら良いのか、どういうコミュニケーションがあるのか、
全くわかりませんでした。

同期の選手もおらず、年が近い先輩もユース出身だったりで、
既にグループが完成されていたこともあって、なかなかチームの輪に入り込めませんでした。
結果、全くキャンプ中チームに馴染めず、非常に辛い思いをしました。

更に、先輩選手たちはかなり体育会系の気質があって、
”今時の若者”である私は、様々な状況で礼儀・作法がなっておらず、ずっと怒られていました。

コミュニケーション能力が低く、上下関係がわからないことで、
様々なストレスを抱え、プレー以外の部分でも苦しい思いをしました。

キャンプ中に感じた事②自由時間多くない?

プロサッカー選手は、ピッチ内で結果を出す事が全てです。
なので、ピッチ外の時間は基本何をしていても構いません。


高校生の合宿では、基本的に行動が束縛されていて、何をするかが決められていました。
しかしプロのキャンプでは、練習以外の時間が非常に長く、
何をしたら良いか全くわからない状態になってしまいました。

今考えれば、「パワーが足りないから筋トレしよう」「技術が足りないから練習しよう」となりますが、
当時は、サッカーについてそこまで考えた事がなく、様々な環境の変化にストレスを感じていたこともあり、
受験前の緊張もあって、ずっと部屋で寝ていました。

周囲の選手は自分に足りない事を考え、それを補うための行動を取っていたのですが、
視野の狭い私はそれにも気づかず、ただただ寝ていました。

後になって、様々なことに気づき後悔しています。
プロの世界では”自分でPDCAを回す”という、当たり前のことは誰も教えてくれませんでした。
私は、ずっと誰かに甘えて、与えられて生きてきてたんだなと今になって思います。

キャンプ中に感じたこと③完全にカモじゃん

最後に感じた悲しいこととして、練習中ずっとカモ扱いされていたことです。
パワー・スピード・技術が洗練された周囲の選手に対して、
筋トレなんかした事ない高校生が本格的に練習に入ると、ここまで何もできないのかと感じました。

パス回しをしたらすぐにボールを奪われ一生鬼をやらされ、
シュート練習をしたら威力が足りず、最後まで居残り練習、
ゲームに入ったらプロの容赦のないプレッシャーにビビりまくり一瞬でボールを取られる、
といった有様でした。

本当にショックだったのは、ボール回しの時もゲームの時も、
私のところにボールが入った瞬間、
「GO!!」と相手チームがDFのスイッチを入れてくる事でした。


完全に狙われており、フリーでも私のところにパスを出す選手がキャンプ中にはいなくなりました。

最後に

このように、高校から→プロに入った瞬間は、全ての変化に驚き、順応できませんでした。
もし高校生の方がプロを目指しているようであれば、

①最低限の筋トレ
②自分のできること・できないことを言語化し、改善していくという取り組み

を意識的に行う事をお勧めします。

特に②のPDCAを回す能力は、長い人生で大いに役立ちます。
私自身、もっと早くに気づき、自身のサッカー人生に取り入れられれば良かったのにと後悔しています。


次回は、受験が終わりチームに合流後について、書いていきます。

第3話はこちらから

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