
目次
フラノによる独断の★評価(5段階)
総合:★★★★(星4つ)
・読みやすさ:★★★★★(星5つ)
・ストーリー性:★★★★(星4つ)
・意外性:★★★★(星4つ)
非常にテンポが良く読みやすいホラー×ミステリー小説になります。
読みやすいから中味が薄いという訳ではなく、読み進める毎にストーリーに奥行きが非常に出てくるので、おすすめの小説です。
この本が好きな人はどういう人?
- ホラー小説好き
- ミステリー小説好き
- どんでん返し系好き
- 読みやすい本が好き
いずれにしてもミステリー好きにはおすすめの1冊です。
Youtubeなどでも有名ですし、漫画家もされているので、1度読んでみる価値はあります。
あらすじ紹介
筆者の知人から、購入を検討している都内の中古一軒家の間取りが少し変だと相談があった。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。
知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。
この違和感を追いかけることで徐々に見えてくる前の住人の人物像・ストーリーとは・・・
面白いポイント①間取りを通して、様々な想像を掻き立てられる
本書では「不動産ミステリー」というだけあって、度々物件の間取りが出て来ますが、
不動産知識のない読者からすると、一見何もおかしな所はないように見えます。
しかし、読み進めるうちにドアや窓・部屋の配置、部屋の形状などが普通ではない事が判明して来ます。
それらを通して、様々な気づきが生まれ、想像を掻き立てられる部分が本書の1番の魅力だと思います。
一部だけ紹介させていただくと、本書で出てくる最初の物件の間取りでは、2階のトイレの配置と中央の部屋のドアの設計が奇妙な設計になっています。それらの情報を通して、ある恐ろしい憶測が立てられるのです。
そして、その憶測が1階の奇妙な配置と徐々に繋がりを見せて、最後にはある恐ろしい事実が浮かび上がって来ます。
極力ネタバレしないように書いているので詳細には書けませんが、気になる方は是非購入して読んでみてください。
面白いポイント②ミステリー要素が入っている

本書では、殺人事件や事故死などが度々描かれています。
しかし、その中味は非常に不可解な殺され方をしていたり、誰も死因を説明できないような事故死が起きていたりします。その死の真実を解明していく、いわばミステリー要素も組み込まれているのが、本書の2つ目の魅力だと思います。
ただのホラー小説は良くありますが、本書は「ホラー×ミステリー」という部分に真新しさがあります。
そして真実を解明していく際にも、「間取り」が関わって来ており、そこから非常に複雑な「真実」が見えて来ます。
最後に誰がどういう目的で殺人をしているのかが判った際に感じたのは「異常性」と「意外性」でした。
まさに 「異常性」=ホラー、「意外性」=ミステリー を体現しているように感じます。
面白いポイント③登場人物の印象が二転三転する
複数の人物が登場する本書ですが、ストーリーに関係性の濃い人物たちから受ける印象が序盤・中盤・終盤で全く違うことが3つ目の魅力になります。
上記はどんでん返し系のミステリーでは良くある話ですが、
本書の面白い部分は1人だけ印象が変化するのではなく、複数人の印象が都度変化していく部分にあります。
善→悪への変化、悪→善への変化がいくつも盛り込まれており、展開が中々読めないので最後まで飽きない小説となっています。
他におすすめの本について
「変な家」にご興味ある方は、下記の小説もおすすめです。
ホラー・ミステリーでどんでん返し系や、同じ作者の小説などを載せています。
ご興味ある方は是非読んでみてください。